トラウマ

トラウマと向き合うということ

心の重荷から解放されたい。過去のつらい記憶から自由になりたい。
そういう思いでセッションを受けられる方はそのプロセスの途中で、とても自分が弱くなったような体験をすることがあります。
それまで平気だったことが急に苦手になったり、恐怖を感じたりするようになることがあるのです。

私もセラピーの勉強の過程で、自分の心の問題に取り組む機会が多くありました。
あるとき、スーツ姿の男性に急に恐怖心を感じ、朝の通勤ラッシュの電車に乗ることが苦痛になってしまったのです。
心のなか男性に対する恐怖心がもともとあり、日常生活でそれが出てきてしまっては困る。
そのために心の奥底にしまっておいた部分が、セラピーを受けることで表に出てきたことによるものでした。
逆に言えば、その恐怖心にもう対処できる準備ができたから、凍らせておいた恐怖心が解け出てきたわけです。
そのときは女性専用車両に乗ることで対処し、その状態は数か月続きました。
恐怖心がおさまり、女性専用車両に乗らなくても平気になったとき。
普段、接している職場の男性の同僚や上司に対する苦手意識が減っていました。
それまでより楽に男性とコミュニケーションを取ることができるようになったのです。

このことをクライアントさんに説明するときに、私はよく正座をたとえに出します。
「長い間正座している状態から立ち上がろうとすると足がしびれて動けない期間があります。
そのときは軽くつつかれただけで飛び上がるほどの苦痛を感じますよね。
でも、それは血流が回復して、足が自由に動かせるようになる準備期間です。
いずれ、回復したら、歩けるようになります。
一時的な苦痛はあっても、ずっと正座のままより、自由に歩けた方がいいですよね。」
そういって励ましの言葉をお伝えするのです。
セラピーではその足のシビレをできるだけ、少しずつ、対処できる範囲の不快感に収まるように調整しながら進めていきます。