2種類のリラックス 2種類の副交感神経

緊張することリラックスすること。これらは自律神経系の働きで調節されています。 自律神経には交感神経と副交感神経があります。 交感神経は、活発に活動するときに働きます。闘ったり逃げたりするときに働く神経なので、心拍数が上がり、呼吸は浅く、速くなります。 副交感神経はリラックスしているときのための神経で二つの種類に分けられます。 一つは消化や休息するときのための神経です。これを「背側迷走神経系」といいます。独りでリラックスしている状態の時に最もよく使われる神経です。ぼーっとすること、食事をし、消化し、排泄すること。眠りにつくこと。これらはリラックスしているときにスムーズに働きます。 もう一つの副交感神経ははだれかと心地よく過ごしているときに働く神経です。会話をするときに使われる神経は表情を作ったり声を出したりするために、筋肉を動かします。これが「腹側迷走神経系」と言われる神経の働きです。 にこやかな表情を作る。相手の表情を見て言葉を受け取る、感情のこもった声を出す。 それらがスムーズにできているとき、人はリラックスできます。 普段、この3つの神経はその時の状態によって適切にコントロールされています。 眠っているときは背側迷走神経系が働き、起きると交感神経系が優位になります。 緊張する場面では交感神経系が高まりますが、その場面を離れると、温かい飲み物を飲んでホッとすることができます。(背側迷走神経系=一人でいる時のリラックス) 仲良く話せる人と会話をすると、緊張がほぐれ気持ちが切り替わります。(腹側迷走神経系=誰かといる時のリラックス) このようにリラックスには一人でいる時のリラックスと、誰かといるときのリラックスの2種類があるのです。 交感神経系が高まりすぎて上手にリラックスできなくなると様々な不都合が出てきます。 食欲がなくなったり、下痢や便秘などの腸の問題が出てきたり、深く眠れないといったことが起きます。 さらに交感神経系が高まりすぎると、凍り付き(フリーズ)という状態になります。 野生の哺乳類は他の動物に襲われ、命の危険がせまると、固まったように動かなくなるそうです。心拍数は落ち、痛みを感じにくくなり、「死んだふり」の状態になります。 人も、緊張が高まり交感神経が高まりすぎると、このフリーズの状態になります。 緊張した状態で固まった状態では安心や安全を感じることが難しくなり、不安な気持ちが強まっています。 このとき、人は誰かといるときのリラックスを感じることが難しくなります。 顔は無表情になり、会話のスムーズさは失われます。 セッションの中では、この凍り付きの状態から抜け出し、再びリラックスを取り戻すためのお手伝いをしています。 温かい言葉のキャッチボールの練習や、2種類のリラックスを感じやすくなるためのエクササイズ。 そして、体に溜め込まれた交感神経系の高ぶりをゆっくり手放すこと。 日常にリラックスを取り戻していきましょう。
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